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西蔵法師 −原作 河口慧海のチベット旅行記−
解説さて、私たちはお葬式に参列すると、亡くなった人は極楽浄土に行くとどこかで思っていることが多いのではないでしょうか。かく言う私もその一人でした。 「仏教にあっては、一切は空である。あわせて、万物は轟々と輪廻する。従って、初期仏教には天国も極楽もなかった。悟りをひらく以外に、光明はなかったのである。 釈迦の没後、数百年経って、様子がかわった。インド文明圏の一角で成立したらしい『阿弥陀経』が、キリスト教が天国を説くようにして、極楽の存在を説きはじめたのである。」 とは司馬遼太郎さんの言葉です(この国のかたち〈3〉 、文春文庫 「・・・かの仏国土には、白鳥や帝釈鴫や孔雀がいる。かれらは夜に三度、昼に三度、集まって合唱し、また、各々の調べをさえずる。かれらがさえずると、(五)根と、(五)力と、覚りに至るための(七つの)要件(を解き明かす)声が流れ出る。その声を聞いてかの(世界)の人々は、仏に心をとどめる思いを生ずるのだ。・・・」 |
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(C) Tabinchu Terada |