ネパール、カトマンズへ

 慧海はダージリンからカルカッタに着きいろいろ旅行用の買物をしました。その時にネパール国政府の書記官で今はチベットへ公使に行っているジッバードルという人からネパール国に入ってから都合よく行くようにとのことで、ネパールのある紳士に当てた二つの紹介状を貰(もら)うことができました。そのあと、慧海はブッダガヤーを訪れました。ブッダガヤーは、釈迦が瞑想を行って、その下で悟りを開いた菩提樹があるところです。慧海はその夜ブッダガヤーの菩(ぼ)提(だい)樹(じゆ)下(か)の金(こん)剛(ごう)道場で我を忘れて徹夜で坐禅しました。菩提樹には月が宿りその影は袖が舞うがごとく金剛坐(こんごうざ)の上に映っておりました。

 その後ブッダガヤーから北に向い汽車でネパールの方へ向かい、国境に近いセゴーリという所の停車場に着きました。その停車場から向うへ二日行けばネパールの国境に着くのですがそれから先は英語も通用しなければチベット語も通用しません。ネパール語を知らなければ何一つ物を買うことも出来ず道を尋(たず)ねることも出来ません。

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