漠野(ばくや)独行の難

 荷物を羊に背負わせて荷物が軽くなったとはいえ、さあこれから十五、六日間無人の高原を慧海は進まなければなりませんでした。その間に、水のない広原を進んで喉の渇きに苦しみ細かな虫がウジウジしている水を切布(きれ)で漉(こ)して飲むこともありました。今まであった岡が亡くなって新しい岡ができるほどの砂嵐に見舞われもしました。


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(C) Tabinchu Terada